聴覚障害×音楽 vol.8

♪ードローンで実現する音楽情報保障

  きこえない人ぬも”音楽の流れ”が見える

ドローンが描く楽譜がひらく、新しい合奏の未来ー♬


2025年秋。テレビの画面に映し出された夜空の光景に、私は思わず息をのみました。

無数のドローンが空に浮かび、規則正しく並ぶその姿は、まるで五線譜。

音符がひとつずつ光り、歌詞がカラオケのように流れていく――

音楽が「見える」瞬間でした。


音が聞こえなくても、音楽の流れが“目で分かる”


その瞬間、胸の奥が熱くなり、涙が出そうになるほど感激してしまいました。これは単なる演出ではない。きこえる人も、きこえない人も、同じリズムを共有できる未来の扉が、静かに開いたと感じたからです。


この映像は、大塚製薬「オロナミンCドリンク」60周年記念プロジェクト

**『元気ハツラツ!大空大合唱』**の一場面。(下部の動画あり)

全国の花火大会で実施された、ドローンによる“可視化された楽譜”の大合唱企画でした。


夜空いっぱいに広がる光の点。

それが五線譜となり、音符となり、歌詞となって流れていく。


その瞬間、私は

「音楽を耳で聴くもの」から「音楽を目で感じ、追い、参加できるもの」へ

変わっていく未来を目撃していました。

音楽はこれまで、どこか「耳がきこえる人の文化」として形づくられてきました。

一方で、きこえない人にとって音楽とは、身体でリズムを感じたり、歌詞の意味や表現、手話を通して味わう❝別の入口❞から入る芸術でもある。。。けれど、ドローンの光で描かれた楽譜は、その環境を静かにし、しかし確実に溶かしていきました。


光が次の音符へ移るたび、テンポが見える。歌詞が光で示されるたび、歌うタイミングが分かる。


見える!

読める!

追える!


それだけで、きこえない人もきこえる人も同じタイミングで「音楽の流れ」に参加できる。


今回この演出を手掛けた株式会社レッドクリフ・広報の玉越様にお話を伺うなかで特に印象に残ったのは、「誰が見ても直感的に分かるころ」への徹底したこだわりでした。

ドローンで五線譜や音符、歌詞を表現するにあたり、

 ・音楽のリズムとズレが生じないよう、秒単位で調整されたタイミング

 ・遠くからでも認識できる文字の大きさや配置

 ・音楽の流れに合わせて、自然に視線が動くテンポ設計


こうした細やかな工夫を積み重ねることで、音楽に詳しくなくても「今、ここを歌えばいい」と分かる演出を目指したといいます。

夜空というおおきなキャンパスだからこそ、「情報としての見やすさ」と「エンターテイメントとしての美しさ」その両立が追及されていました。


ここは「配慮」や「特別扱い」という空気はありません。ただ、同じ空を見上げ、同じ瞬間に心が動く。そんなシンプルで美しい一体感があります。

ドローン演出は、ただの光のショーではないです。それは、音楽を可視化する技術が❝誰かを置き去りにしない未来❞へと進化している確かな証です。

きこえる人は耳で音を追い、きこえない人は目で光を追い、同じ場所で、声や手話を重ねていく。

音楽がひとつの文化を超え、人と人をつなぐ❝共有体験❞へと変わっていくのです。


あの夜空に浮かんだドローンの楽譜は、完成された答えではなく、これから社会が考えていく問いだったのかもしれません。

音楽は、誰のものなのか。。。

大変は、誰と共有されるべきなのか。。。


レッドクリフが描いた光は、それを言葉でなく、体験として私たちに投げかけていた。

そして、その問いの先にドローンという表現が、誰かを驚かせるためだけでなく、誰かを「参加者」に変えていく未来が確かに見えたのです。


夜空は、まだまだ広い。

これからレッドクリフが描いていく次の風景がまた新しい「誰も取り残さない体験」へとつながっていくことを心から応援しています。

(上画像:合奏スタート前にもこんな文字で始まるよーって教えてくれる)


(下映像:『元気ハツラツ!大空大合唱』のドローン一場面。)

手話うたユニット T-ripple

聴者とDeafのおかあさん。共生社会で生きる子育て応援キャラバンとして各イベント出動中。 ステージでの手話うたパフォーマンス以外にT-ripple(とりっぷる)と遊ぼう!手話うた、紙芝居、パペット、ワークショップ、ベビーサイン等々もやっております。

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