聴覚障害×音楽 vol.1

初めまして。

私は、手話で音楽を伝えるパフォーマンス活動をする生まれつき聞こえないRicchi(りっち)です。

このHPは手話うたユニットT-rippleのイベントお知らせや報告など掲載にしています。

最近、高校の探究学習により「きこえない人にとっての音楽」についてお話しいただきたいという依頼をいくつかいただいたことから「聴者障害と音楽の壁」「聴者障害の音楽の楽しみ方の工夫」などなどをテーマにしてお話させていただきました。

最初は、探究学習って何?

我が子どもが高校卒業した年より導入した授業なのですね。(知らなかった。。。)

若者たちが、未来へきこえないひとの音楽の楽しみを作る架け橋になれたらと思い、ここに伝えたいテーマごとを随時アップしていこうと思います(⌒∇⌒)


ー私自身のことー

幼少期から聾学校と普通学校の両方に通い、教育の「境界線」を実際に歩いてきました。

幼稚園では聾学校と普通幼稚園を併用し、小学校・中学校では普通学校に在籍しながら、必要な科目は難聴学級で、それ以外は通常学級で学びました。ですので、インテグレーションとインクルーシブ教育の両方を経験してきました。


ー音楽との関わりから見える、私のインクルージョン体験ー

私は幼少期から聾学校や難聴学級で、歌や楽器を「自由に楽しむ」音楽に触れてきました。

リズムにこだわらず、自分のペースで音を感じる時間は、安心できるものでした。

けれど、普通学級での音楽授業は苦手でした。聞こえる人たちと同じテンポで歌ったり、楽器を合わせたりすることが難しく、ついていけない苦しさがありました。音楽が「できないこと」になる瞬間は、壁のように感じられました。

そんな中、音楽好きな家族とのカラオケは、私にとっての救いでした。当時、テレビでの「ザ・ベストテン」「ミュージックステーション」という音楽番組に歌詞字幕付いてれば、見ながら口パクを真似したり、姉がアイドル雑誌『明星』や『平凡』の付録に挟まれた歌本(歌詞と曲の楽譜(一部)を記載している本)を使って、音符やリズムを教えてくれたり。

今では信じられないかもしれませんが、あの雑誌には本当に歌詞と楽譜が付いていたんです。それが、私にとっての「音楽の教科書」でした。

レコードやカセットテープで繰り返し聴いてリズムを確認することはできても、生演奏のテレビ番組では微妙な違いに戸惑うこともありました。リズムが取れないことは、私にとって音楽の「壁」でした。でも、その壁の向こうにある「楽しさ」や「つながり」を、家族との時間や工夫の中で見つけてきました。

この経験は、私が今取り組んでいるインクルーシブなコミュニケーションや制度設計にもつながっています。誰かにとっての「壁」を、誰かと一緒に「橋」に変えていくこと。それが、私の原点です。


次回のテーマは、「補聴器で音楽をききとれる?」にお話ししたいと思います。

手話うたユニット T-ripple

聴者とDeafのおかあさん。共生社会で生きる子育て応援キャラバンとして各イベント出動中。 ステージでの手話うたパフォーマンス以外にT-ripple(とりっぷる)と遊ぼう!手話うた、紙芝居、パペット、ワークショップ、ベビーサイン等々もやっております。

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